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 株式会社キューリンは、病院からお預かりした血液などの検体検査を行う病理医化学細菌検査を専門とする会社です。

TEL. 093(642)3911

〒806-0046 福岡県北九州市八幡西区森下町27-25

業務内容SERVICE【微生物検査 - 一般細菌】

一般細菌塗抹

9001 塗抹
検体をスライドガラスに塗布し、顕微鏡にて観察した結果を報告します。
通常はグラム染色実施しますが、KOH処理による真菌検査も実施しています。

蛍光顕微鏡



一般細菌培養同定

9002 培養同定
検体を培地に塗り、発育してきた細菌および真菌の同定検査を実施します。
液状の検体は、定量培養を行い CFU/mLで報告します。その他の検体は半定量(±、1+、2+、3+)で報告します。
同定は、約2/3を微生物分類同定分析装置バイテックMSを使用しています。その他の同定は、 生化学性状試験(色素産生性、溶血性、インドール試験、運動性試験、オキシダーゼ試験、カタラーゼ試験、VP試験、PYR試験など)、 選択培地への発育、性状、抗原抗体反応、オプトヒンなどに対する感受性や遺伝子増幅法(菌種特異的遺伝をターゲットとしたPCR)を用いて決定しています。





一般細菌薬剤感受性試験



9004 薬剤感受性試験
培養同定された菌株に有効な薬剤を検索するために実施します。
菌種ごとに必要な薬剤を微量液体希釈法により測定しており、原則としてMICで報告しています。
淋菌および液体培地に発育しなかった株は、ディスク拡散法(KB法)で実施し、その場合は感受性カテゴリー(S, I, R)のみで報告します。
判定基準はCLSI M100 S23を原則として採用していますが、肺炎球菌のペニシリンGに関してはEUCAST Version 6.0を採用しています。



薬剤感受性試験結果の見方
BPはブレイクポイントであり、Sの値とRの値すなわち、S/Rを示しています。
すなわちSの値以下であれカテゴリーはSとなり、Rの値以上であればカテゴリーはRとなります。SとRの中間の場合はIと表示します。
Sは感受性(Susceptible)、Iは中間(Intermediate)、Rは耐性(Resistant)を示しています。
BPの値は、CLSI M100-S23を使用しています。肺炎球菌のPCGはEUCASTの値を、また、特殊な菌種につていは、CLSI M45Ed3Eを使用しています。
これらの基準で定義されていない薬剤と菌種の組み合わせについてはBPを表記せず、設定がないという意味で −/− と表記しています。
しかしながら、測定した薬剤の感受性カテゴリーは表記して欲しいという要望が強いため、可能な限り類薬または類縁菌種のブレイクポイントを用いて、
S, I, Rを表記しています。
BPが −/− と表記されていて、感受性カテゴリーにS, I, Rが表記されている場合は、参考値であることをご理解の上、治療薬選択の一助としてください。
参考値の基準が必要な場合にはお問合せ下さい。



表のE. coliの場合は、PIPCのMICは、>64μg/mLすなわち≧128であり、BPのRの値128μg/mL以上なので、カテゴリーはRとなります。
TAZ/PIPCのMICは4μg/mLであり、BPのSの値16μg/mLより小さいため、Sと判定されます。
CLSIは米国の組織であり、主に日本国内で使用されているFRPMとCTMのBPを設定していないためBPは −/− と表示しますが、
類薬のBPを利用して、カテゴリーを返しています。もちろん、BP −/− と表記している場合のカテゴリーはあくまでも参考値です。
CEZのMICは4μg/mLであり、BPのSの値2μg/mLとRの値8μg/mLの間なので、カテゴリーは I と判定されます。CFDNも同様の理由で、Sと判定されます。

嫌気培養・微好気培養

嫌気培養・微好気培養はANOXOMAT(混合ガス:N2 80%, CO2 10%, H2 10%)を使用しています。
その他に主にCampylobacter jejuni/coliを狙う培養として42℃、酸素5%、炭酸ガス10%に設定したマルチガスふらん器も使用しています。

報告可能な耐性菌

感染症予防および感染症の患者に対する医療に関する法律
5類感染症に指定されている耐性菌
   全数報告対象菌
      カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)
      バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
      バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)
      多剤耐性アシネトバクター(MDRA):薬剤耐性アシネトバクター感染症対象菌
   基幹定点報告対象菌
      メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
      ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP):ペニシリン耐性肺炎球菌感染症対象菌
      ペニシリン低感受性肺炎球菌(PISP):ペニシリン耐性肺炎球菌感染症対象菌
      多剤耐性緑膿菌(MDRP):薬剤耐性緑膿菌感染症対象菌
その他
   メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)
   メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MR-CNS)
   (黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌以外のメチシリン耐性ブドウ球菌 各種)
   BLNAR(βラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ桿菌)
   BLPAR(βラクタマーゼ産生インフルエンザ桿菌)
   BLPACR(βラクタマーゼ産生アモキシシリン・クラブラン酸耐性インフルエンザ桿菌)
   ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ:セファロスポリンを分解する)産生菌
   メタロβラクタマーゼ(カルバペネムを分解可能なβラクタマーゼ)産生菌

β-lactamase産生株の確認試験の例


A:ESBL産生かつIMP-1産生Klebsiella pneumoniaeのβ-lactamase確認試験
   最上段のSMAと最下段のCAZ/CVAならびに2段目右のAZTおよび3段目左のLMOXはいずれも阻止円を認めない。
   2段目左のCAZ/CVA & AZTで阻止円を認めることからESBL産生株であることがわかる。
   3段目右のLMOX & SMAで阻止円を認めることからMetallo-β-lactamase産生株であることがわかる。
   これは、AZTはMetallo-β-lactamaseに安定であり、LMOXはESBLに安定であるという性質を利用している。
   PCRの結果、CTX-M-14とIMP-1の両方が陽性であった。

B:改良ホッジテスト (カルバペネム分解酵素確認試験)
   上が被検菌、左が陽性コントロール(KPC-2産生株を使用)、右が陰性コントロール(AmpC多量産生Enterobacter cloacaeを使用)
   被検菌は、NDM-5産生株であった。

C:mCIM(改良カルバペネム不活化法)試験 (カルバペネム分解酵素確認試験)
   左上は陰性コントロール: E. coli ATCC25922 阻止円径>19mm
   左下は陽性コントロール: KPC-2産生K. pneumoniae 阻止円なし
   右上は陰性検体:AmpC産生E. cloacae (MEPM=2μg/ml) 阻止円径>19mm
   左下は陽性検体:IMP-1産生E. coli 阻止円なし

VREスクリーニング試験およびPCRによる確認試験

VREのスクリーニングには
日本BD VRE選択培地を使用

   VREの遺伝子決定試験

スクリーニング陽性の場合は、vanA, vanBの遺伝子検査実施
両遺伝子が陰性の場合には、VancomycinのMICなどのデータに応じてvanC1, vanC2, vanD, vanE, vanGを実施する。